一軒の家に忍び込む怪しい男がいた。男は留守中の家に侵入すると金品を奪い、家を出た。
男はその場を走り去ろうとするが、突然謎の女に拘束された。

ピンク色の二つ結びに黒色のワンピースを着てその上から青色のマントを纏った女は男に迫った。
「盗んだものはわたくし怪盗Xが頂くわ!」

Xは男の鞄を強奪すると被害にあった家に入り、盗難品をもとの家に戻した。
一仕事終えたXは家を出るとさっきの男が銃を構えていた。

「てめえよくも俺の盗品を奪いやがったな!!」
男はXに向けて発砲しようとすると逆にXに撃たれてしまう。

「私が撃ったのは麻酔だから安心しな!」
Xはそう言うと屋根伝いに飛びながら去っていった。

その後もXの活躍で多くの泥棒や強盗が御用になり、盗品奪還は続いた。これを見た署長はサニーにXを捕まえることを要求した。しかし

「でもXは泥棒や強盗の被害から守ってるんですよね?それなのに捕まえるなんて酷じゃないですか?」
サニーは疑問をぶつけるが、署長の態度は変わらなかった。

「とにかく捕まえてこい!もし奴に加担することがあればサニーといえどクビは免れないからな。」
サニーは署長に後押しされる形で出動した。

街を見渡すと特に変わった様子もなかった。しかし突然通行人がひったくりにやられてしまい、サニーが犯人を追うと青色のマント姿の女が目の前に現れると彼女はそれを奪い、元の持ち主に帰した。彼女こそXだったのだ。

「あなたが怪盗Xね。」
サニーは彼女に問いかけた。

「そうよ。わたくしは怪盗だけど盗まれたものを取り返すことを専門にやってるの。」
Xの言葉にサニーは感銘を受けるが、同時に署長の言葉が頭によぎった。

「あなたは正義のために努力してることは評価する。けど怪盗である以上野放しにはできないわ。よってあなたを逮捕します。」
サニーはXに手錠をかけようとした。するとXはどこからか取り出したトランプのカードでサニーから逃れた。

「わたくしは被害者を助けるためにやってるのよ。それを犯罪者扱いするなんて悪人と一緒よ!」
Xの言葉に周囲の人々は賛同し、普段は英雄視されてるサニーは逆に敵視されてしまった。

(Xを許したら私への評価は良くなるけど刑事でいられなくなるし逆に捕まえたら私の味方はいなくなっちゃうかも・・・)
サニーは苦悩した。

すると突然銀行が襲撃される事件が発生した。犯人は現金の強奪に成功すると車に乗り逃走した。
後を追おうとするも時すでに遅く犯人に逃げられてしまった。するとXはあることを思いついた。

「わたくしがあなたを背負うからしっかりつかまってて。」
Xはそう言うとサニーを背負いながら走り始めた。

サニーを背負いながらも車と互角の速さで民家の屋根を飛び越えるX。やがて車が信号に引っかかった隙に歩道に飛び降りるとXは特殊なレーザー光線でドアを破壊するとサニーと共に侵入した。
突然の侵入者に驚く中サニーはハンドルを奪うと反対車線にUターンして銀行に戻った。強盗は全員逮捕され、奪われた金銭は全額戻されたのだった。

事件が終息して一息つくとサニーはこう言った。

「あなたの逮捕は見送るわ。これからも怪盗の仕事頑張るのよ。」
サニーはXの活躍を後押しした。

その後、サニーは署長に呼び出された。署長はサニーにこう告げた。

「強盗を捕まえたことは評価しよう。しかし君は怪盗を捕まえるどころか活躍を後押しした以上刑事としてあってはならないことだ。そんなわけで今日限りで辞めてもらうよ。」
サニーは刑事をクビになってしまった。

職を失ったサニーは転職するのかと思いきや宝くじを購入していた。

「当たるといいなあ。」
サニーは当選を願った。

結果発表の日、サニーは自分が選んだ数字があるか調べると全て一致していたのだ。一等は6億ドルでキャリーオーバー時には10億にもなる。サニーが当選したときはキャリーオーバーで10億を引き当てたのだった。

サニーは銀行で手続きを済ませると当選金が振り込まれ、サニーの通帳は一気に10億を超えたことで定職につかなくても生活できるようになったのだ。それからは自警しながら生活を送ってるようだ。

終わり

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